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位相の基底

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集合 XX の部分集合族

BP(X)\mathcal{B}\subset\mathcal{P}(X)

が次の2条件を満たすとする。

  1. 任意の xXx\in X に対して、xBx\in B となる BBB\in\mathcal{B} が存在する。
  2. B1,B2BB_1,B_2\in\mathcal{B}xB1B2x\in B_1\cap B_2 に対して、ある B3BB_3\in\mathcal{B} が存在して、
xB3B1B2x\in B_3\subset B_1\cap B_2

となる。

このとき B\mathcal{B}XX 上の位相の基底という。

B\mathcal{B} の元の任意の和集合として表される集合全体を

OB={λΛBλBλB}\mathcal{O}_{\mathcal{B}} = \left\{ \bigcup_{\lambda\in\Lambda}B_\lambda \mid B_\lambda\in\mathcal{B} \right\}

とすると、OB\mathcal{O}_{\mathcal{B}}XX 上の位相になる。

この位相を B\mathcal{B}生成する位相という。

位相 O\mathcal{O} に対して BO\mathcal{B}\subset\mathcal{O} が基底であることは、任意の UOU\in\mathcal{O} と任意の xUx\in U に対して、

xBUx\in B\subset U

となる BBB\in\mathcal{B} が存在することとも特徴づけられる。

一般位相空間では開集合全体が非常に大きな集合族になることがある。

そこで、より小さな集合族からすべての開集合を生成するという考え方が重要になった。

基底という概念によって、位相の局所的構造を効率的に記述できるようになり、第二可算性、積位相、距離位相など多くの概念の定式化にも利用されている。

R\mathbb{R} において、

B={(a,b)a,bR, a<b}\mathcal{B} = \{(a,b)\mid a,b\in\mathbb{R},\ a<b\}

は通常の位相の基底である。

さらに、

BQ={(p,q)p,qQ, p<q}\mathcal{B}_{\mathbb{Q}} = \{(p,q)\mid p,q\in\mathbb{Q},\ p<q\}

も通常の位相の基底になる。

後者は可算であるため、R\mathbb{R} が第二可算であることも分かる。

任意の部分集合族が基底になるわけではない。

例えば、

X={1,2},B={{1}}X=\{1,2\},\qquad \mathcal{B}=\{\{1\}\}

とする。

22 を含む B\mathcal{B} の元が存在しないため、基底の第1条件を満たさない。

したがって B\mathcal{B}XX 上の位相の基底ではない。

基底を用いると、すべての開集合を直接列挙せずに位相を定義できる。

距離空間では開球全体が位相の基底になる。

また、連続性を調べる際にも、終域のすべての開集合ではなく基底要素の逆像だけを確認すれば十分である。

距離空間 (X,d)(X,d) において、

B={B(x,r)xX, r>0}\mathcal{B} = \{B(x,r)\mid x\in X,\ r>0\}

が距離位相の基底になることを示せ。

任意の xXx\in X は例えば B(x,1)B(x,1) に含まれるため、第1条件を満たす。

次に、

zB(x,r)B(y,s)z\in B(x,r)\cap B(y,s)

とする。

このとき、

rd(x,z)>0,sd(y,z)>0r-d(x,z)>0,\qquad s-d(y,z)>0

なので、

ε=min{rd(x,z),sd(y,z)}>0\varepsilon = \min\{r-d(x,z),\,s-d(y,z)\}>0

と置く。

wB(z,ε)w\in B(z,\varepsilon) なら三角不等式より、

d(x,w)d(x,z)+d(z,w)<rd(x,w) \le d(x,z)+d(z,w) <r

かつ

d(y,w)d(y,z)+d(z,w)<sd(y,w) \le d(y,z)+d(z,w) <s

である。

したがって、

zB(z,ε)B(x,r)B(y,s)z\in B(z,\varepsilon) \subset B(x,r)\cap B(y,s)

となる。

よって B\mathcal{B} は位相の基底である。