Skip to content

複素数列と複素級数

  • 複素数と複素平面
  • 実数列
  • 実級数
  • 極限
  • 絶対値

複素数を項とする数列

z1,z2,,zn,z_1,z_2,\ldots,z_n,\ldots

複素数列という。

複素数列 {zn}\{z_n\}αC\alpha\in\mathbb{C} に収束するとは、

limnznα=0\lim_{n\to\infty}|z_n-\alpha|=0

となることをいう。

zn=xn+iynz_n=x_n+iy_nα=a+ib\alpha=a+ib とすると、

znαz_n\to\alpha

であることと、

xna,ynbx_n\to a,\qquad y_n\to b

であることは同値である。

複素数列 {zn}\{z_n\} に対する

n=1zn\sum_{n=1}^{\infty}z_n

複素級数という。部分和

SN=n=1NznS_N=\sum_{n=1}^{N}z_n

SCS\in\mathbb{C} に収束するとき、級数は収束するといい、

n=1zn=S\sum_{n=1}^{\infty}z_n=S

と書く。

また、

n=1zn\sum_{n=1}^{\infty}|z_n|

が収束するとき、zn\sum z_n絶対収束するという。複素級数でも絶対収束すれば収束する。

無限級数は17世紀から18世紀にかけて解析学の発展とともに盛んに研究された。当初は形式的な計算も多かったが、19世紀にコーシーらが極限と収束の概念を厳密化したことで、複素数列や複素級数も厳密に扱われるようになった。

複素級数は、その後のべき級数、テイラー級数、ローラン級数の理論の基礎となっている。

zn=1+inz_n=\frac{1+i}{n}

とする。このとき、

zn=2n0|z_n|=\frac{\sqrt2}{n}\to0

であるから、

zn0z_n\to0

である。

また、q<1|q|<1 ならば、

n=0qn=11q\sum_{n=0}^{\infty}q^n=\frac{1}{1-q}

が成り立つ。これは qq が複素数の場合にも成立する。

数列の各項が 00 に収束するだけでは級数の収束は保証されない。

例えば、

zn=1nz_n=\frac1n

ならば zn0z_n\to0 であるが、

n=11n\sum_{n=1}^{\infty}\frac1n

は発散する。

複素級数は、複素関数を局所的に級数で表現する際の基礎となる。特に、正則関数のテイラー展開や特異点周辺でのローラン展開に直接利用される。

また、指数関数、三角関数などを複素領域へ拡張する際にもべき級数が重要な役割を持つ。

複素数列

zn=n+inz_n=\frac{n+i}{n}

の極限を求めよ。

zn=1+inz_n=1+\frac{i}{n}

であるから、

zn=1,Imzn=1n\Re z_n=1,\qquad \Im z_n=\frac1n

となる。したがって、

limnzn=1\lim_{n\to\infty}z_n=1

である。