複素数を項とする数列
z1,z2,…,zn,…
を複素数列という。
複素数列 {zn} が α∈C に収束するとは、
n→∞lim∣zn−α∣=0
となることをいう。
zn=xn+iyn、α=a+ib とすると、
zn→α
であることと、
xn→a,yn→b
であることは同値である。
複素数列 {zn} に対する
n=1∑∞zn
を複素級数という。部分和
SN=n=1∑Nzn
が S∈C に収束するとき、級数は収束するといい、
n=1∑∞zn=S
と書く。
また、
n=1∑∞∣zn∣
が収束するとき、∑zn は絶対収束するという。複素級数でも絶対収束すれば収束する。
無限級数は17世紀から18世紀にかけて解析学の発展とともに盛んに研究された。当初は形式的な計算も多かったが、19世紀にコーシーらが極限と収束の概念を厳密化したことで、複素数列や複素級数も厳密に扱われるようになった。
複素級数は、その後のべき級数、テイラー級数、ローラン級数の理論の基礎となっている。
zn=n1+i
とする。このとき、
∣zn∣=n2→0
であるから、
zn→0
である。
また、∣q∣<1 ならば、
n=0∑∞qn=1−q1
が成り立つ。これは q が複素数の場合にも成立する。
数列の各項が 0 に収束するだけでは級数の収束は保証されない。
例えば、
zn=n1
ならば zn→0 であるが、
n=1∑∞n1
は発散する。
複素級数は、複素関数を局所的に級数で表現する際の基礎となる。特に、正則関数のテイラー展開や特異点周辺でのローラン展開に直接利用される。
また、指数関数、三角関数などを複素領域へ拡張する際にもべき級数が重要な役割を持つ。
複素数列
zn=nn+i
の極限を求めよ。
zn=1+ni
であるから、
ℜzn=1,Imzn=n1
となる。したがって、
n→∞limzn=1
である。