複素数とは、
z=x+iy
の形で表される数である。ただし、x,y∈R であり、虚数単位 i は
i2=−1
を満たす。
x を z の実部、y を z の虚部といい、
ℜz=x,Imz=y
と表す。また、
z=x−iy
を z の共役複素数という。
複素数 z=x+iy の絶対値を
∣z∣=x2+y2
で定める。
複素数 z=x+iy を平面上の点 (x,y) と対応させたものを複素平面という。z=0 は
z=r(cosθ+isinθ)
と表すことができる。ここで r=∣z∣ であり、θ を z の偏角という。
オイラーの公式
eiθ=cosθ+isinθ
を用いれば、
z=reiθ
とも表せる。
複素数は16世紀、三次方程式の解法を研究する過程で本格的に現れた。カルダノの公式では、実数解を持つ方程式であっても計算途中に負数の平方根が現れる場合があり、ボンベリはその計算法則を体系的に扱った。
18世紀にはオイラーが複素指数関数と三角関数の関係を明らかにし、19世紀にはガウスらによって複素数を平面上の点として捉える幾何学的な見方が定着した。
z=3+4i
とすると、
ℜz=3,Imz=4,∣z∣=5
である。
「複素数は必ず虚部が 0 でない」という主張は誤りである。例えば、
3=3+0i
であるから、実数も複素数の一種である。
複素数は複素解析の基礎となるだけでなく、電気回路、振動・波動、フーリエ解析、信号処理、制御工学、量子力学などで利用される。
特に極形式 z=reiθ は、回転や周期的現象を簡潔に記述するために有用である。
複素数
z=1+3i
の絶対値と偏角を求めよ。
∣z∣=12+(3)2=2
である。また z は第1象限にあり、
tanθ=3
であるから、
θ=3π
となる。したがって、
z=2eiπ/3
である。