複素関数 f が点 z0 で連続であるとは、
z→z0limf(z)=f(z0)
が成り立つことをいう。
ε-δ を用いれば、任意の ε>0 に対して、ある δ>0 が存在し、
∣z−z0∣<δ
ならば、
∣f(z)−f(z0)∣<ε
となることと同値である。
f(z)=u(x,y)+iv(x,y)、z=x+iy とする。このとき f が z0=x0+iy0 で連続であることは、実関数 u,v が (x0,y0) でともに連続であることと同値である。
また、連続関数 f,g に対して、f+g、fg は連続であり、g(z0)=0 ならば f/g も z0 で連続である。
連続性は微積分学の成立当初から直観的に用いられていたが、現代的な厳密性は19世紀に形成された。
コーシーは極限と連続性を体系的に扱い、その後ワイエルシュトラスらによって ε-δ に基づく定式化が確立した。
複素解析では、実変数の場合の連続性を複素平面上の距離 ∣z−z0∣ を用いて自然に拡張する。
f(z)=z2
は複素平面全体で連続である。
実際、
∣z2−z02∣=∣z−z0∣∣z+z0∣
であり、z→z0 のとき右辺は 0 に収束する。
f(z)=⎩⎨⎧∣z∣z,0,z=0,z=0
を考える。
正の実軸上から z→0 とすると f(z)=1 である一方、正の虚軸上から近づくと f(z)=i である。
したがって、
z→0limf(z)
は存在せず、f は 0 で連続ではない。
連続性は複素微分、複素積分、正則関数の理論を構築するための基本概念である。
特に正則関数は連続であり、積分路上の連続性は複素線積分を定義する際にも必要となる。
f(z)=zz
が複素平面全体で連続であることを示せ。
z=x+iy とすると、
zz=x2+y2
である。
したがって、
f(z)=x2+y2
であり、実部は連続な実関数 x2+y2、虚部は定数関数 0 である。
よって f は C 全体で連続である。