A={p∈S∣f1(p)=f2(p)=⋯=fr(p)=0}
また、
V(F)={(a1,…,an)∈Akn∣fi(a1,…,an)=0}.
代数的閉体 k 上の n 次元アフィン空間 Akn 内の代数的集合 V が、
代数的集合 V1,V2 を用いて
V=V1∪V2(V=V1,V=V2)
と表せるとき、V を 可約(reducible) と呼ぶ。
可約でない V を 既約(irreducible) と呼ぶ。
また、既約な代数的集合を アフィン代数多様体(affine algebraic variety) と呼ぶ。
以下の命題は同値である。
- V のイデアル I(V) は素イデアルである。
- 代数的集合 V は既約である。
証明
V が可約であれば I(V) は素イデアルでない。
したがって、その対偶をとることにより、
I(V) が素イデアル ⟹ ならばV は既約が得られる。
V は既約であるが、I(V) は素イデアルでないと仮定する。
すると、ある多項式 f1,f2 が存在して
f1f2∈I(V),f1∈/I(V),f2∈/I(V)となる。
I(V) と f1 から生成されるイデアルを J1、
I(V) と f2 から生成されるイデアルを J2 とする。
f1,f2∈/I(V) より、
V(J1)⊊V,V(J2)⊊V.一方、
f1f2∈I(V)であるから、V の各点では
f1f2=0となる。
したがって、
V=V(J1)∪V(J2).これは V が既約であることに反する。
よって、
V が既約 ⟹ ならばI(V) は素イデアルである。
n 次元アフィン空間 Akn 内の代数的集合 V に対して、
k[V]:=k[x1,x2,…,xn]/I(V)
を V の 座標環(coordinate ring) という。
代数的集合 V が既約であるための必要十分条件は、
その座標環 k[V] が整域となることである。
V⊆kn に対して、
I(V):={f∈k[x1,x2,…,xn]∣∀(a1,…,an)∈V,f(a1,…,an)=0}
を V の イデアル と呼ぶ。
代数的閉体 k 上の多項式環
k[x1,x2,…,xn]
のイデアル J に対して、
I(V(J))=J
が成り立つ。
証明
f∈J とする。
根基の定義より、ある自然数 m が存在して
fm∈Jとなる。
a∈V(J) ならば、
fm(a)=0.したがって、
f(a)=0.よって、
f∈I(V(J)).したがって、
J⊆I(V(J)).f∈I(V(J)) とする。
f∈J、すなわち、ある自然数 m に対して
fm∈Jとなることを示せばよい。
新しい変数 x0 を導入し、
k[x0,x1,…,xn]において、
1−x0f(x1,…,xn)と J から生成されるイデアル J を考える。
V(J)=∅と仮定し、
(a0,a1,…,an)∈V(J)とする。
J⊆J なので、
(a1,…,an)∈V(J).f∈I(V(J)) より、
f(a1,…,an)=0.一方、
1−x0f∈Jなので、
0=1−a0f(a1,…,an)=1となり矛盾する。
したがって、
V(J)=∅.よって J は単位元 1 を含む。
したがって、
1=h(x0,x1,…,xn)(1−x0f(x1,…,xn))+j=1∑lgj(x0,x1,…,xn)fj(x1,…,xn),ただし、
h,gj∈k[x0,x1,…,xn],fj∈J.
斉次多項式の族 F={Fi} に対して、
Vh(F)={[a0:⋯:an]∈Pkn∣Fi(a0,…,an)=0}
を射影代数的集合という。
「kn の元 (a1,a2,…,an) のうち、V に含まれるものすべてに対して
f(a1,a2,…,an)=0
が成り立つ多項式 f のなす集合」はイデアルをなす。
すなわち、
I(V)={f∈k[x1,…,xn]∣∀a∈V,f(a)=0}
は
k[x1,…,xn]
のイデアルである。
証明
可換環 R のイデアル I に対して、
I:={x∈R∣∃m∈N,xm∈I}
を I の 根基 と呼ぶ。
次の補題は、整域の基本性質
ab=0 ⟹ ならば(a=0 ∨ またはb=0)
の繰り返し適用である。
R を整域とするとき、x∈R に対して、
xm=0 ⟹ ならばx=0
が成り立つ。
証明
xm=x⋅xm−1=0.R は整域であるため零因子を持たない。したがって、
x=0またはxm−1=0.x=0 ならば証明は終了する。
xm−1=0 ならば、
xm−1=x⋅xm−2=0より、
x=0またはxm−2=0.この操作を有限回繰り返すことにより、最終的に
x=0を得る。
□
位相空間 X と、その上の環の層 OX の組
(X,OX)
を 環付き空間(ringed space) と呼ぶ。
さらに、各点 x∈X における茎
OX,x
が局所環であるとき、
(X,OX)
を 局所環付き空間(locally ringed space) と呼ぶ。
可換環 R に対して、
SpecR
に自然な構造層 OSpecR を入れた局所環付き空間
(SpecR,OSpecR)
を アフィンスキーム(affine scheme) と呼ぶ。
アフィンスキームは局所環付き空間の例である。
アフィンスキームでは、
Γ(SpecR,OSpecR)≅R
が成り立つ。
また、基本開集合 D(f) 上では、
Γ(D(f),OSpecR)≅Rf
となる。
位相空間 X 上の層 F に対して、
F(X)
の元を F の 大域切断(global section) と呼ぶ。
大域切断全体は
Γ(X,F)
と表す。
また、開集合 U⊆X に対して、
F(U)
の元を U 上の 局所切断(local section) と呼ぶ。
アフィンスキーム X=SpecR と準連接層 F に対して、
Hi(X,F)=0(i>0)
が成り立つ。
また、
Γ(SpecR,OSpecR)≅R.